アート見て歩き〜原田佳苗 展〜
今日はKUNST ARZTで原田佳苗 個展〜あなたの側を離れない。〜を見ました。
原田さんは今年京都嵯峨芸術大学を卒業して、今回が卒業後の初の個展ということです。大作から小品まで十数点のペインティングと、コンセプチュアルなオブジェもありました。
大胆にデフォルメされ、一見奇妙な頭部が最も印象的です。色彩は明るくポップですが、同時に重量感というか、若手作家にはあまりない風格すら感じさせる作品群でした。
タッチは伸びやかで、深いグラデーション、フォルムの的確さと滑らかさ。画面からは旺盛な生命力が放射され、それと同時にその背後に知的な頭脳の働きも感じます。
アーチストステートメントで原田さんは「…私は制作において、目の前の光景を、まず言葉にしてから画面を作り出します。言葉は私にとって、絵を描く大切な一部です。今回の出品作品も、私が日常や世界の出来事の中で感じたことを
言葉と絵を用いて表現しようとしたものばかりです…」と述べています。
物を見る柔軟な視点、それを言葉として定着させる冷静さ、イメージへと昇華させる強い集中力とエネルギー。力強く、ユニークな美の息吹を感じさせる原田さんの、これからの活躍を期待させる充実した内容の個展でした。
文字を使った大作。コンセプチュアルな要素が浮き足立たずに絵としての面白さに通じている。
奇妙なポーズと表情ではあるが、堂々として独自のリアリズムを放つ肖像画。
http://www.kunstarzt.com/top/top.htm